フィリピン恋愛論　第１１回

　さて、今月はフィリピンパブでの伴侶探しは間違いなのか？という先月の話題の続きです。今までご説明したように、「日本での水商売」という経験は、彼女達自身の価値観に影響を与え、良き伴侶にはほど遠い人間に変えてしまいます。

それでもフィリピーナが好きだという皆さんはどうすればよいのでしょう？

それには日本に行ったことがない、そしてフィリピン現地においても水商売で働いたことがない娘を探すのです。そうすれば、素のフィリピーナを求めることが出来ます。どこで探すのでしょうか？マニラの日本人向けカラオケで探すのです。

その理由はこれから詳しくご説明します。

まず水商売の経験がない娘をどうして水商売である日本人向けカラオケで探すのか？三四郎は矛盾しているではないかとお思いでしょう。矛盾していません。お店で働き始めてあまり間がない、まだ水商売に染まっていないの娘を探すのです。

では、なぜ日本人向けカラオケなのでしょう？その辺のレストランのウェイトレスやマカティのOLでもいいではないですか。それがよくないのです。マニラといえばフィリピンの首都。やはり田舎から可愛い娘が大挙上京してきます。

そして、日本に少しでも興味があり、容姿も美しい娘は、日本で働くためにプロモーションに所属し、バイトとして日本人向けカラオケで働きます。つまり、マニラのカラオケにはフィリピン全土から日本を好きな美女が集まってくるのです。

要するに、彼女達が自分の意志によって集まってくる場所に網を張るのです。これが一般的なオフィスやレストランでは、日本人観光客の短い滞在期間で効率的な選別が出来ないのです。数日という限られた期間の間に、日本人を好む美女、同時に内面も伴侶としてふさわしい娘を眼力で選択する。そして、その対象は日本を知らず、水商売もほとんど知らない、毒されていない娘達なのです。

日本に行ったこともありませんから、日本の物価に金銭感覚が狂わされていません。そして、眼力とその後のやり取りで、どの程度の期間、どんな店で働いたことがあるのか、家庭環境、本人の性格を聞き取るのです。基本的にその娘達は自ら日本に行きたがっており、日本に憧れています。そのため、日本人を肯定的な目で見ているので、短期滞在の日本人でもアプローチしやすいのです。

先月、このような三四郎の眼力と戦略に賛同してくれたある読者が、マニラに2 週間滞在しました。そして、46歳で独身の彼のために毎晩2軒ずつ、合計20軒以上のカラオケを廻ったのです。

ショーアップでは恥ずかしくて相手を選べないという彼に代わり、三四郎が眼力を駆使して各店でそれぞれ彼のお相手を選んだのです。予想通り素晴らしい娘達がいました。２０軒で５人くらいは三四郎が結婚してもいいと思うような娘がいました。しかし、私に眼力を依頼した彼にはまだ相手が見つかりません。何故なのでしょう？

ただ一点、この三四郎の作戦には穴がありました。そしてその穴はとても大きかったのです。それは言葉の壁の存在でした。彼はタガログ語も英語も喋れなかったのです。そのため、三四郎が眼力を発揮してショーアップの中から選ぶ前に「日本語を喋れる娘？」という問いを投げかけ、彼女達を日本語が出来る、出来ないによって大きく二分せざるを得なかったのです。お相手が日本語を出来ないと彼は意思の疎通がとれず時間を持て余してしまうのです。

日本語が出来る娘のグループの中から、三四郎の眼力に適う娘を選ぶという作業は非常に難航しました。それもそのはず、マニラのカラオケにおいて日本語が出来るという意味は、日本帰りか、もしくはマニラでの水商売歴が長いということに他ならないからです。

しょうがないので三四郎は妥協を重ね、日本語の出来るグループからあえて選びだした娘を彼の横に座らせました。そして次に三四郎本人の指名を日本語の出来ない娘の中から選び出しました。その三四郎の選択した娘を見て、何軒目かのお店で彼はついに言いました。

「どうして三四郎さんの指名する娘は、いつも良さそうな娘なんですか？」

そうなんです。明らかに彼に選んであげた娘よりも良いのです。これは三四郎が彼に意地悪をしている訳ではありません。彼には日本語の出来るグループの中から誠心誠意、ベストを尽くして選び出しているにもかかわらず、日本語の出来ない娘から三四郎の指名した娘の方が魅力的なのです。つまり、最初に日本語で選別をしてはいけないのです。ということは、良き伴侶をマニラで求める日本人は、タガログか英語をある程度できなければ難しいということが分かります。

さあ、皆さん。三四郎の眼力シリーズですが、どのようにお読みになったでしょうか？次号にて三四郎の幸福論、恋愛論と続いたこのエッセイも2年を迎えます。結局、フィリピンに填まった日本人は幸せになれるのでしょうか？それとももうフィリピンは卒業しなければいけないのでしょうか？(笑)来月はそんな読者の皆様方のために、今までの論点の総まとめをしたいと思います。

第１２回　～連載の総まとめ～に続く！

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著者プロフィール著者名　三四郎フィリピン社会事情ＭＬを運営。マニラ現地サービスを展開中！マニラ在住８年。 E-MAIL: nbf04352@nifty.com URL: www.pmlc.net 写真協力　シゲ　　Shigeru Ueki

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