フィリピン幸福論
第 1回 踊り狂う人々 前編
第 2回 踊り狂う人々 後編
第 3回 日本人がフィリピン
     に填まる理由
第 4回 戦士と乙女
第 5回 異形に寛容な
     フィリピン
第 6回 貧しいがゆえ
     豊かなるフィリピン
第 7回 激安暮しの幸福
第 8回 子供が溢れる
第 9回 MLによる新しい
     日本人ネットワーク
第10回 「お客さん」をやっ
      ていませんか?
第11回 マニラで遊べ!
第12回 Pの悲劇
フィリピン恋愛論
第 1回 シングルマザーに
     愛を・・・。
第 2回 駐在員 VS
     カラオケGIRLS
第 3回 Japan meets
     Philippines!
第 4回 日本女性 VS
     フィリピーナ
第 5回 健気なり!
     フィリピーナ!
第 6回 確信犯的悪女系
     フィリピーナ
第 7回 眼力を磨け!1
第 8回 眼力を磨け!2
第 9回 省令改正に関する
     緊急提言!
第10回 眼力を磨け!3
第11回 眼力を磨け!4
第12回 連載の総まとめ
  
著者 :     三四郎
撮影 :Shigeru Ueki
第9回 〜省令改正に関する緊急提言!〜
 日本はそろそろ桜の咲く季節でしょうか。フィリピンは今が一番暑い時期。学校は6月まで夏休みで、子供達は長期休暇をエンジョイしています。そして、3月末にハイスクールを卒業した学生は、就職先が見つからないで世の中の厳しさに直面しているところでしょう。

 入管法の省令改正でフィリピン人タレントが日本に行けなくなるという噂が流れている昨今ですが、その余波は当然フィリピン現地にも影響を及ぼしています。日本で働くためにプロモーションに住み込んで準備をしていた娘達が、櫛の歯が抜けるように断念し、故郷に帰り始めています。彼女達がバイトで働いていたマビニのあるカラオケでは、女の子の在籍数が一気に半減してしまいました。そのような娘の多くは日本にまだ一度も行ったことがなく、お店からのブッキングも入っていない予備軍でした。

 一方、既に日本で働いた経験があり、現在ビザが発給されるのを待っているだけの娘達は、かろうじて踏みとどまっています。しかし、今後興行ビザが順調に発給されなくなれば、1年以内に彼女達も見切りをつけてしまうでしょう。既に現地プロモーションの閉鎖件数も増えています。

 現在、年間8万人近いタレントが日本で働いていますが、今後はその娘達が続々とフィリピンに帰国し、それを最後にもう日本に行けなくなるとしたら・・・。つまりフィリピン国内には、日本行きを断念した予備軍を含め、ざっと10万人以上のうら若きフィリピーナが滞留するのです。彼女達はこれからフィリピン国内でどうやって生活していくのでしょうか?

 フィリピン国内には、はっきり言いまして彼女達の職が充分にありません。特に田舎にはまともに仕事がないのです。一度日本の豊かさを知ってしまった彼女達は、田舎で普通のフィリピン人に混じり、一日100ペソにもならない仕事を続けられるでしょうか? できるとはとても思えません。彼女達が働くとすれば・・・、マニラやセブでの水商売くらいでしょう。水商売というのは、仕事の割に収入が良いので、一度経験すると他の仕事が出来なくなるのです。

あるいは、田舎でフィリピン人男性と結婚をして身を固めるでしょうか? それもあるでしょうし、既に夫や子供があり、彼らが待つ家庭に戻る娘もいるでしょう。但し、一度日本人と身近に接してしまったピーナは、フィリピン人男性と結婚したがりません。働かない亭主と沢山の子供を抱え、貧乏でボロボロになっていく自分の姿を予想できるのです。そのような母を見て、日本に行こうと決心したのですから。

目端の利く娘は、日本で掴んだお客さんを選別し、その中の一番条件の良い男と早めの結婚をし、「永久就職」あるいは結婚ビザで働くことを考えるでしょう。後者の場合は、あえて彼女達の側から離婚に持ち込み、結婚ビザや永住権のみの取得を目的とするかもしれません。ちなみに結婚ビザ業者の友人曰く、「まだ結婚の件数が著しく増えているということはないが、今年後半から増えるだろう」。

 三四郎の本音を言いましょう。フィリピンがこの25年間に渡り、国策として日本にホステスを輸出していた時代は終わりました。しかも、そのホステス達は「芸能人」という資格を偽装した「羊頭狗肉」だったのです。もう良い潮時だと思います。フィリピンは国の経済のために自国の女性をホステスとして売るのはもう止めるべきなのです。

 彼女達の家族には経済的に大きな影響があるでしょう。しかし、留守宅の家族は、娘の稼ぎにぶら下がるのではなく、身を粉にして働くべきなのです。一生懸命に次世代の子供達を教育し、少なくとも別の職業で海外を目指すべきです。25年の歳月が、「フィリピンパブは日本の文化だ」などというおかしな考えを生んでしまいました。もっと正常な感覚に戻るべきでしょう。

 それでもフィリピーナが好きという日本男児はどうすればいいのでしょうか?

 マニラに来てください。ホームの日本で座して彼女達が来るのを待つのではなく、アウェーのマニラで彼女達の愛を勝ち取ってください。タガログ語を覚えてください。現地の事情を勉強してください。惰性で飲みに行っていた日々を改め、浮いた生活費の中から渡航費用を貯め、マニラに通うのです。日本での水商売を知らない「素の天使ピーナ」を現地で探してください。金魚鉢の金魚をすくって喜ぶのではなく、珊瑚礁で泳ぎ廻る野生の熱帯魚をその手で掴み取ってください。

 もしあなたが生涯の伴侶をフィリピーナに求めるのなら、なおさらのことです。敵を知り己を知れば、百戦危うからずと言います。フィリピン現地で彼女達のオリジナルを知るべきです。日本国内で日本人とフィリピン人の考え方の違いが分かるはずもありません。あるいは、日本が素晴らしく、フィリピンは遅れているという紋切り型の考えをフィリピン現地で見直すべきでしょう。

 今月は「眼力シリーズ」の後編をお届けする予定でしたが、3月15日からの省令改正の発効を受け、「フィリピーナに会いたければ、現地に飛べ!」という緊急提言をさせて頂きました。



第10回 〜眼力を磨け!3〜 に続く!

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著者プロフィール

著者名 三四郎

フィリピン社会事情MLを運営。
マニラ現地サービスを展開中!
マニラ在住8年。

E-MAIL: nbf04352@nifty.com
URL: www.pmlc.net


撮影者 小俣慎也 (通称Vito Cruz)


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