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著者 : 三四郎
| 撮影 :Shigeru Ueki |
第7回 〜眼力を磨け!1〜 |
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さて、現在マニラは乾季です。毎日穏やかなお天気が続いています。朝夕はめっきりと涼しくなり、思わず体を冷やして風邪が流行る時期でもあります。しかし、皆様がフィリピンを旅行されるにはベストシーズンといってよいでしょう。例えばボラカイ島。お盆の頃は雨季で強い風が吹き荒れる最悪のシーズンです。海藻が打ち寄せ、あの天国のような白砂のビーチも台無しになります。ボラカイ島を堪能するには乾季の今頃が一番いい季節なのです。シーズンにあわせて旅行計画を立てるのもフィリピン通ならではの楽しみです。
今月は予告どおり「確信犯的悪女系フィリピーナ」を見破り、「善女系健気フィリピーナ」をパートナーとして確保するための「眼力」を会得する方法についてお話したいと思います。少し単語が冗長ですので、フィリピーナを「ピーナ」、そして前者を「悪女ピーナ」、後者を「天使ピーナ」と略したいと思います。
最初に参考としてエピソードを二つほど。ある結婚ビザ業者の方から聞いた話です。日本人男性がピーナと結婚し、奥さんを日本に連れて帰るために「結婚ビザ」を法務省に申請します。その申請書類の中に「経緯書」という奥さんと知り合ったいきさつを説明する書類があります。彼は今までに何百通とその書類を代書してきた訳ですが、彼がお客さんの話を聞いて書いた「出会いのパターン」として典型的なものを教えてくれました。それは、「私は上司に連れられて、初めてフィリピンパブに行きました。その時最初に隣に座った女性が私の妻です」というパターンです。
これは何を意味しているのでしょう?
日本のお店では、初めての客が大勢のタレントの中から自分の好きなタイプを選びだすということは、なかなかできないようになっています。その代わり、お店側がタレントを適当に選んでお客さんにあてがいます。普通は何人かまわしてもらって、自分と相性のいい子を選んで指名し、お店に通い始めます。しかし、彼が代筆した経緯書には、「最初に隣に座ったタレントが今の奥さん」というパターンが多いのです。つまり、その男性はフィリピンパブという風俗店に選んでもらった女性と結婚をし、自ら相手を選ぶチャンスさえなかったのです。
もっとうがった見方をすれば、酸いも甘いも噛み分けたベテランピーナが、超初心者の彼の隣に座ったのをいいことに囲い込み、決して自分の手の中から逃がさず、十分稼いだ上に洗脳と調教を施し、満を持して結婚に持ち込んだのかもしれません。なぜなら新郎は結婚後も新婦の一族に独占的に貢がされるのです。ピーナを妻とする日本人夫達が集まる某団体では、ピーナとの結婚を「長期大ガモ独占契約」と自嘲して呼称しています。
そして、次のエピソード。あるネット上の掲示板に書き込まれていた話です。年配のあまりもてない男性が、ピーナを追っかけてマニラに来ていました。何年間もしつこく彼女に言い寄っているのですが、なかなか自分のものになりません。いくらお金を貢いでも邪険にされるばかりで、「客」以上の関係になれません。しまいには「姫」とまであがめている彼女に逆に嫌がられる始末。しかし、彼は自分の置かれている立場がまだ分かりません。
とうとう姫が姿をくらましてしまい、動転する彼。そこに登場するのは姫の「親友」だという別のピーナ。悲嘆する彼を慰めているうちに、彼はその姫の「親友」を好きになってしまいます。
僕に言わせれば、それは単なる「カモ客」の引継ぎなのです。
「もうこの客にはうんざりだからあんたにあげるわよ、せいぜい稼ぎなさいよ」
彼女はお金に困っているタレント仲間に自分の客を引き継がせたのです。彼は自分の意志で次の相手を選んだようでいて、実は全てはタレント達の手のひらの上での話なのです。
両方のエピソードに共通するのは、日本人男性側が主体的にピーナを選んでいないということです。そして、三四郎には逆にピーナが客を選別しているように感じられるのです。ピーナがお客を選別し、フィリピンパブ初心者やカモ客を確保しています。お客たちはあおられ、競わされ、貢がされ、追っかけさせられているのです。この状況から男性が主導権を取り戻すには、眼力を高めて、「選ぶ」というお客としての本来の権利を行使しなければならないのです。
では、お待たせしました。眼力の会得する方法です。
この眼力は先月号でもいいましたように、フィリピンに填まって丸10年の三四郎が、マニラに巨大台風が来てエドサ通りが川のような洪水になろうとも、午前3時グロリエッタで国軍若手将校のクーデターが粛々と行われようとも、サーチライトを持ったマニラ警察にエルミタの街角で職務質問されようとも、ただひたすらにマニラの夜を泳ぎ渡り、自らの眼と足で会得したものです。つまり、日本人として磐石の権利が保障された日本国内での体験ではなく、選んだピーナ次第では巧妙なセットアップに嵌められて、警察の留置所にぶち込まれるかもしれないという板子一枚下は地獄のマニラ現地でのそれなのです。
野山に息づく野生動物が自らの生命を賭けて毒草を鼻で嗅ぎ分け、食べられる草を見つけるかのごとく、多くは感覚的な直感に頼る判断が元にあります。要するに、読者の皆様においては三四郎の本誌上での説明を「参考書」として、やはり実地での修行を積み重ねることが肝要であり、その努力なしで眼力は絶対に身に付かないことを最初に断っておきます。
と、こうして値打ちをこいている間に、残念ながら今月も紙数も尽きてきました。本論はまた来月に展開するとして、最後に眼力のポイントを一言でたとえましょう。
「目は口ほどにものを言う」
マゼラン以降484年間、嘘によって支配者から身を守ってきたフィリピン人の「言葉」を相手にするのではなく、彼女の目に、雰囲気に、身なりに、表情に、彼女の本質を見るのです。いや、「観る」のです。
第8回 〜眼力を磨け!2〜 に続く!
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