フィリピン幸福論
第 1回 踊り狂う人々 前編
第 2回 踊り狂う人々 後編
第 3回 日本人がフィリピン
     に填まる理由
第 4回 戦士と乙女
第 5回 異形に寛容な
     フィリピン
第 6回 貧しいがゆえ
     豊かなるフィリピン
第 7回 激安暮しの幸福
第 8回 子供が溢れる
第 9回 MLによる新しい
     日本人ネットワーク
第10回 「お客さん」をやっ
      ていませんか?
第11回 マニラで遊べ!
第12回 Pの悲劇
フィリピン恋愛論
第 1回 シングルマザーに
     愛を・・・。
第 2回 駐在員 VS
     カラオケGIRLS
第 3回 Japan meets
     Philippines!
第 4回 日本女性 VS
     フィリピーナ
第 5回 健気なり!
     フィリピーナ!
第 6回 確信犯的悪女系
     フィリピーナ
第 7回 眼力を磨け!1
第 8回 眼力を磨け!2
第 9回 省令改正に関する
     緊急提言!
第10回 眼力を磨け!3
第11回 眼力を磨け!4
第12回 連載の総まとめ
  
著者 :     三四郎
撮影 :Shigeru Ueki
第3回 〜Japan meets Philippines!〜
 今年のお盆は非常に忙しかった。まず8月13日に三四郎が主催するメーリングリストの「お盆オフミ」があり、日本からやって来られた方を合わせて30人の読者がマニラに集まった。オフミとはOffline Meetingの略で、インターネット上でのやり取りをOnlineとするのに対し、実際に顔を合わせる集まりをOfflineと呼ぶのだが。まあ単なる飲み会。そして、お盆が明け、8月の後半には航空券の高い時期を避けて渡比された方々と毎晩明け方まで飲み明かしてしまった。この原稿を書いているのは8月31日。ほっ、と一息ついたところ。

 私としては、日本からわざわざやって来てくれた方々に、是非マニラを好きなって欲しい、楽しんで欲しい、フィリピンの良さを分かって欲しいという想いから、知り得るベストの遊び方をご紹介している。その中の一例を今月は披露しよう。

 渡比回数が1,2回までのいわゆる初心者の方を必ず連れて行くカラオケがある。マカティ・パサイロードにあるIllusion(イリュージョン)。ここは大箱でGROが常に50人以上出勤している。店の雰囲気もブルーとシルバーを基調として洗練された印象。カワイイ系、美人系を取り揃えたGROの教育もしっかりとされており、安心してお客さんをお連れすることができる。

実際、現地日本人駐在員の接待コースになっているようだ。飲み代は他店に比べて少々高い。1セット90分を普通に飲んで2千ペソ(4千円)位はするだろうか。ちなみに午後8時半までに入店すれば、セット半額で750ペソ安くなる。

 これだけでは何の変哲もないただのカラオケだろう。この店の「売り」は毎晩9時半と11時半のダンスショーなのだ。Dance FocusとHuman Touchという2組のグループが曜日毎に入れ替わってショーをする。日本で言えばTVのバックダンサー。決して有名なグループではない。ちなみにDance FocusはTVで有名なSex Bombと同じマネージャーの姉妹グループである。

 10代後半から20歳そこそこの総勢20人(女15人、男5人)。今一番流行っている数曲のダンスミュージックを30分間ほど激しく踊る。輝く笑顔。ほとばしる若さ。均整のとれた身体。テンポの速いリズムと動き。描写力のない三四郎が書いたところで伝えることが難しいのは分かっているのだが。とにかく、初めて観る日本人は目が釘付けになる。

 選曲も良い。押し付けがましいわけでもない、といって勿体もつけていない健康的な笑顔。ダンスを好きで、この仕事が天職です、という表情。あるいはマニラの若者ってどんな感じ?と聞かれたら、彼らのダンスを「輪切り」にして「切り口」を見せたくなるような・・・。

 確たる理由もなく「マニラ」に緊張している日本人旅行者を連れて来るには絶好の場所である。言葉で説明する必要もない。美味しいフィリピン料理をたらふく食べ、8時半までにIllusionに彼らを連れて来る。

目移りするほどたくさんの女の子の中から選んだGROを侍らせて、ステージのかぶりつきでショーを観る。これがフィリピン。これがフィリピン人。これがフィリピーナ。延長、延長! 明日も来ようかとなる。断っておくが三四郎はガイドではないので何の「利益」もない。惚けたような彼らの笑顔を見て、独りしめしめと悦に入るだけ・・・。

 今までに数十回はそのショーを観たであろう三四郎が最近気付いたこと。ショーの最中にこっそりと客席を観察していたのだ。ソファーに深々と座り、GROと指を絡ませてステージを観ている日本人。お腹が出て身体も硬くなり仕事とゴルフしか出来ない日本人。ステージが終わり、汗ばんだ顔のダンサー達が握手を求めて客席を廻る。一人一人の握手を求めるフィリピン人ダンサーと求められる日本人客。ダンサーの顔を見るお客の視線が妙に眩しそうで、恥ずかしそうなのだ。

 客なのだから、どっしりと構えて鷹揚に手を差し出せばいいはず。それなのに、やけに愛想笑いをしてフレンドリーな顔をしている。求められる前に律儀に手を出して握手をしている。若さへの憧憬なのか。純粋にダンスに感動したのか。それとも、日本人に生まれたというだけで「客」としてソファーに座っている自分を瞬間的に恥じたのか。

 それはともかく、Japan meets Philippines!  ここは夜毎、二つの島国の民が初めて出会う場所である。

 

第4回 〜日本女性 VS フィリピーナ〜に続く!

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著者プロフィール

著者名 三四郎

フィリピン社会事情MLを運営。
マニラ現地サービスを展開中!
マニラ在住8年。

E-MAIL: nbf04352@nifty.com
URL: www.pmlc.net


撮影者 小俣慎也 (通称Vito Cruz)


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