フィリピン幸福論
第 1回 踊り狂う人々 前編
第 2回 踊り狂う人々 後編
第 3回 日本人がフィリピン
     に填まる理由
第 4回 戦士と乙女
第 5回 異形に寛容な
     フィリピン
第 6回 貧しいがゆえ
     豊かなるフィリピン
第 7回 激安暮しの幸福
第 8回 子供が溢れる
第 9回 MLによる新しい
     日本人ネットワーク
第10回 「お客さん」をやっ
      ていませんか?
第11回 マニラで遊べ!
第12回 Pの悲劇
フィリピン恋愛論
第 1回 シングルマザーに
     愛を・・・。
第 2回 駐在員 VS
     カラオケGIRLS
第 3回 Japan meets
     Philippines!
第 4回 日本女性 VS
     フィリピーナ
第 5回 健気なり!
     フィリピーナ!
第 6回 確信犯的悪女系
     フィリピーナ
第 7回 眼力を磨け!1
第 8回 眼力を磨け!2
第 9回 省令改正に関する
     緊急提言!
第10回 眼力を磨け!3
第11回 眼力を磨け!4
第12回 連載の総まとめ
  
著者 :   三四郎
撮影 : Vito Cruz
第10回 〜いつまでも「お客さん」をやっていませんか?〜
この幸福論を読んでいる読者の皆さんの中には、お店に通いタレントに熱を上げている人もいるだろう。彼女達とお近づきになりたい人や、現在つきあっている子がいて真剣に結婚を考えている人もいるかもしれない。そこで突然だが、今月号はそのような皆さんのためにマニラ在住の三四郎がフィリピ−ナ攻略法を伝授しよう。

 まず、なぜ彼女達が遠い日本まで働きに行くのか考えてもらいたい。そう、もちろん仕事、つまりお金のためである。彼女達のほとんどはフィリピン現地で貧しい生活をしている。マニラに住んでいる三四郎などは、実にいろんなケースを目にしている。たくさんの兄弟がいて、病気の両親を抱えていたりする彼女達は、兄弟の学費や生活費でお金が足りなくていつもピーピーしている。

当然、本人も学費が無くて大学に行けなかったので、学歴社会のフィリピンでは良い就職もできない。若さを活かして水商売に就くことしかできない。さもなければウェイトレス、見た目が良くなければメイド。それこそ彼女達の日本行きには家族の生活、それどころか弟妹の将来がかかっているのである。

 では、お金が目的ならば、彼女達にお金をたくさん上げればいいのだろうか? 問題はそう簡単ではない。お金をたくさん上げると、あなたは逆に本当の彼氏にはなれない。ただの良いお客さんになってしまうのである。なぜだろうか?

彼女が日本での仕事を続けていくには、彼女を雇うお店にある程度の売上が上がらなければならない。そうしないとお店は彼女に給料を払えないので、フィリピンに帰されてしまう。これは当然の経済原理である。つまり、彼女が日本で働くには売上に貢献してくれる一定数のお客さんが必要なのである。

 あなたが安易にお金を上げ、お金で彼女の気を引こうとすると、いつのまにか彼女の頭の中であなたは「お客さんNO.1」とリストアップされ、囲い込まれてしまう。いつまでたっても彼女と彼氏の関係になることはできない。ならばどうすればいいのか? 世の中うまくできている。お金を使わなくても、彼氏としてつきあえる方法はある。それをこれから説明しよう。

 まず、第一に一人の女の子に固執しないこと。どんどん違うお店にパルパロしたほうがいい。ベテランやファーストタイマー、田舎の子、都会の子、長女、末っ子、気の強い子、おっとりした子。たくさんの子と出会い、自分のタイプを見つける。一般的には日本での仕事の経験の少ない子を探したほうがいい。日本人=お金という図式がまだ身についていない子がいいのは言うまでもない。

 接客態度をよく見て、決まりきったパターンでしか接してこない子はパス。嘘をつく子、金の亡者、礼儀のない子もどんどんパスしたほうが良い。お店は星の数ほどあるのだから、そしてタレントは無数にいて、出会いも無限なのだから、どんどんパルパロして眼力を養ってみよう。彼女達がパルパロを嫌うのは理由がある。要は他の子と比較されると困るからだ。自分のお客を囲い込みたいのだ。

   自分のタイプの子を見つけたとしよう。まだ填まってはいけない。何人も候補を見つけて、どんどん身の上話を聞いてみよう。解らないことがあったら、調べてみる。周りに聞ける人がいなければ、メーリングリスト(www.pmlc.net)で質問してみよう。彼女達の営業トークに引っかかってはいけない。彼女の話の裏を取るために、別の子にも同じことを聞いてみる。そうして知識を蓄えていこう。

 そして、一番大事なのは彼女に今現在「彼氏」がいるかどうかだ。これを知るのはなかなか難しい。普通、彼女達は「指定席」をひとつ持っている。何の指定席かというと、「彼氏」という指定席だ。この指定席に座れば、あなたはお金を要求されないし、お店に来いとも言われない。逆にあなたの財布の心配までしてくれる。つまり、他のお客から稼いで、あなたからは稼ごうとはしないのだ。

 どこの民族でも若い女の子はそうなのかもしれないけど、特に愛に生きるラテン系のフィリピーナだから、つらい仕事を耐えるには彼氏の存在は必要不可欠。過去に男に手ひどく騙されて子供を産んだ上に逃げられたとか、すっかり男に懲りている子を除いて、本音では彼氏が欲しいもの。その習性を理解し、逆手に取るわけだ。

 おさらいをしよう。彼女には彼女の売上を支えるたくさんお客さんが必要である。と、同時に心を癒す彼氏がたった一人必要なのである。あなたがその指定席に座れればあなたの目的は達成される。座れなければたとえどれだけ貢いでも、一生彼女にとっておいしいお客さんである。

 それでは、その指定席に座るにはどうすればよいのか? それはお金じゃない。月並みかもしれないが、フィリピンを、そしてフィリピン人を知ること。急がば回れなのである。本で勉強してもダメ。フィリピン現地に行き、とにかく現地の空気を吸うこと。彼女達が生まれ育った現地の空気を味わうこと。生活のリズム、常識、物価、流行、ジョーク・・・。

難しい知ったかぶりの知識でなく、普通のなんでもない事柄。なぜ、彼女は日本に来たのか? その心の中には何があるのか? 日本人が豊かな日本でいくら考えても推し量れない理由がある。彼女が仕事に疲れて弱気になった時、そっと彼女の気持ちに共感してあげればいい。もし、その子の「指定席」が開いていれば、あなたはそこに座ってしまっていることに気づくだろう・・・。

第11回 〜マニラで遊べ!〜に続く!

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著者プロフィール

著者名 三四郎

フィリピン社会事情MLを運営。
マニラ現地サービスを展開中!
マニラ在住8年。

E-MAIL: nbf04352@nifty.com
URL: www.pmlc.net


撮影者 小俣慎也 (通称Vito Cruz)


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